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ジムやトレーナー無しでマッチョになれます!

タンパク質の正しい摂取方法①

今回の記事からトレーニング後の正しい栄養補給、つまりタンパク質摂取の方法を解説していきます。

激しいトレーニングだけ行ったとしても、筋肉は大きくなりません。筋肉を強く大きくするためには正しい理論に基づいた運動と栄養摂取が必要不可欠です。

栄養の話に入る前に、生物学や栄養学の面から私たちの体の仕組みを見ていきます。

 

■人間の身体をつくるタンパク質とアミノ酸

人間の身体は約69%が水分で構成されています。そのほか、脂肪やミネラルなどがありますが、水分の次に多いのが、全体の約20%を占めるタンパク質です。タンパク質は心臓や肺といった臓器をはじめ、皮膚や爪、髪の毛、ホルモン、血液、免疫成分など、身体を構成する様々な物質を作るための原料となっています。

筋肉の最小単位のアクチンとミオシンという筋タンパク質からできています。つまり、筋肉を増やすことは、筋タンパク質を増やすことと同義なのです。

タンパク質は「アミノ酸」と呼ばれる分子が数十~数十万個単位で組み合わさってできています。

アミノ酸は基本構造としてアミノ基(NH2)、カルボシル基(COOH)、水素(H)、側鎖(R)で構成されています。この側鎖に様々な分子が繋がることで、アミノ酸は多種多彩な機能を発揮するようになります。

タンパク質の材料となるのはわずか20種類のアミノ酸です。

20種類のアミノ酸は、9種類の必須アミノ酸と、11種類の非必須アミノ酸に分けられます。必須アミノ酸ら体内で作り出すことができないため、食事などで摂取しなければなりません。非必須アミノ酸は、バランスのとれた食事で栄養補給をしている限り、体内で作り出すことができます。

タンパク質を作る際に、アミノ酸は無秩序に組み合わさっているわけではありません。DNAの塩素配列(遺伝子情報)には、タンパク質の合成方法を示す設計図(アミノ酸配列の情報)が記されています。この設計図をもとに、組み合わせるアミノ酸の種類や数、並び順が決まり、臓器や皮膚、筋肉など、目的に合わせたタンパク質が作られます。

また、アミノ酸が2個以上結合した状態を「ペプチド」と呼びます。アミノ酸が2個結合すると「ジペプチド」、3個では「トリペプチド」、10個程度では「オリゴペプチド」、それ以上では「ポリペプチド」となります。ペプチドとタンパク質の間に明確な線引きはありませんが、一般的にアミノ酸が50~100個以上結合したものをタンパク質と呼びます。

体内に入ったタンパク質はこの結合とは真逆に流れ、つまりタンパク質をアミノ酸レベルにまで分解したうえで、もう一度合成するプロセスを経ていくことになります。

例えば、ステーキ(タンパク質)を食べた場合、胃に入ると胃酸によって変性(やわらかく)され、粘膜細胞から分泌された消毒酵素(ペプシン)によってポリペプチドに分解されます。胃の消化を終えると、次の次の十二指腸では膵液中の分解酵素によってオリゴペプチドに分解されます。その後は小腸に入り、消化酵素によって単体のアミノ酸まだ分解され、小腸の粘膜や上皮細胞から吸収されます。

小腸で吸収されたアミノ酸は、最終的に毛細血管を伝わって門脈(肝臓に流入ふる太い血管)に入り、肝臓へと集められます。

そしてここから、アミノ酸は肝臓からすぐ使う分は血液中に放出されて、それ以外はアミノ酸プールに貯蔵されています。血液中や組織内に「アミノ酸が遊離した状態」にあることを指します。十分な量のタンパク質を摂取すると、血液中のアミノ酸濃度が上昇し、体内がアミノ酸リッチの状態になります。

体内がアミノ酸リッチの状態になると、筋細胞はDNAの塩素配列から写しとった設計図に従ってアミノ酸を結合し、アクチンやミオシンといった筋タンパク質を合成していきます。つまり、体内に入ったタンパク質は消化•分解→吸収→貯蔵→合成という流れを経て筋肉へと作り替えられていくわけです。

しかし、単純にタンパク質を合成しているだけでは、現状の筋肉量を維持する程度にしか筋タンパク質は合成されません。合成を促進し、筋肉を大きくするためには、食事による栄養摂取とともに、運動がもたらす刺激によって「筋タンパク質の合成感度」を高めていかなければなりません。そのための最適な運動が筋肉トレーニングです。

 

■筋トレ後のタンパク質摂取は理に適っている

 

近年、アミノ酸安定同位体を用いる研究手法が確立し、アミノ酸の合成•分解を詳しく調べる方法が生み出されたことで、次々と新たな知見が報告されています。現代のスポーツ科学や栄養学では「筋トレだけでは筋肥大は生じない」こと、「筋トレ後にタンパク質を摂取する」ことご常識として定着しています。

その1つの根拠になったのが、アメリカのシュライーズ•バーンズ研究所のビオラ研究所です。

ビオラは①空腹とのとき、②タンパク質を摂取したとき、③空腹状態で筋トレをしたとき、④筋トレ後にタンパク質を摂取したとき、の4パターンで筋タンパク質の合成量と分解量を計測しました。

その結果、「空腹のとき」は筋タンパク質の分解量が増加し、「タンパク質を摂取する」と合成量が増加しました。空腹になると体内のアミノ酸濃度が不足し、それを補うために筋タンパク質を分解してアミノ酸が作り出されます。そうなれば、当然、筋肥大は起こりにくくなります。ここでタンパク質を摂取すると、体内がアミノ酸リッチの状態に戻り、筋タンパク質の合成量が増加していくことになります。

「空腹状態で筋トレをしたとき」は、筋タンパク質の合成量は増加しませんでした。つまり、筋トレによって筋タンパク質の合成感度を高めても、体内のアミノ酸が不足した状態では合成量は高まらないのです。

「筋トレ後にタンパク質を摂取したとき」は、筋タンパク質の合成量が顕著に増加しています。

現状の筋肉量を維持するだけなら、適度な運動と食事だけで十分です。しかし、筋肥大を目指す場所は、筋トレ後のタンパク質摂取量が重要になるということです。

筋トレをする→筋タンパク質の合成感度が高まる→タンパク質を摂取する→筋タンパク質の合成が促進されます→筋肥大が生じる

筋肥大を目指すならこの一連のサイクルを回し続けることが大切になります。