タンパク質の正し摂取方法②
前回の記事に続いて、今回もタンパク質の摂取を解説していきます。
1.タンパク質のベストな摂取タイミング
2.良質なタンパク質とは?
1.タンパク質のベストな摂取タイミング
■最高の摂取タイミングは筋トレ後の「24時間」
一般的には筋トレ後の1~2時間は、筋タンパク質の合成作用が最も高まる「ゴールデンタイム」と言われています。
その根拠となったのが、アメリカ•テキサス大学医学部のラスムッセンらによる研究報告です。
ラスムッセンらはトレーニング未経験者を集め、トレーニング直後のタンパク質摂取による筋タンパク質の合成反応を調べました。被験者は1時間トレーニングを行ったあと、必須アミノ酸を15g摂取し、その後1時間おきに筋タンパク質の合成量を計測しました。すると、筋タンパク質の合成量はトレーニング後の1~2時間が最も高くなり、その後はその後は1時間ごとに減っていったのです。
この結果からラスムッセンらは、トレーニング直後にタンパク質を摂ることが、最も筋タンパク質の合成作用を高める摂取方法だと結論づけました。彼がのちに「ゴールデンタイム」の名のもと、筋トレの”常識”として広まっていったのです。
しかし、現代のスポーツ科学やスポーツ栄養学では、筋トレと後のタンパク質摂取において、ゴールデンタイムよりも重要なことがあると指摘しています。それは「筋トレ後のタンパク質摂取は『24時間』を意識しろ」というものです。
■タンパク質の合成感度は24時間継続する
そのエビデンスとなったのが次の研究報告です。
アメリカ•シュリナーズ病院のティプトンらは、トレーニング未経験者の20代男女を被験者とし、トレーニング前後に必須アミノ酸を15g摂取させ、その前後24時間における筋タンパク質の合成感度の上昇時間を計測しました。すると、筋タンパク質の合成感度は1時間どころか、24時間まで高い状態が続いていたのです。
次に、マクマスター大学のバードらによる研究報告です。こちらは、トレーニング経験のある20代男性を被験者として集め、レッグエクステンションを行われせた後、24時間後にホエイプロテインを15g摂取させ、筋タンパク質の合成率を計測しています。その際、バードらはトレーニング強度と疲労度を基準に、被験者を3つのグループに分けて検証しています。
①.1RMの90%の高強度で疲労困憊まで行うグループ(高強度+疲労困憊)
②.1RMの30%の低強度で疲労困憊まで行わなきグループ(低強度+疲労困憊なし)
③.1RMの30%の低強度で疲労困憊まで行うグループ(低強度+疲労感)
その結果、高強度、低強度ともにトレーニングを疲労困憊まで行った①と③のグループは、24時間後の筋タンパク質の合成率が増加していました。一方、疲労困憊まで行わなかった②のグループは、筋タンパク質の合成率がそれほど増加していませんでした。
この結果から2つのことがわかります。1つは、トレーニング強度に関係なく、疲労困憊になるまでトレーニングを行えば、合成感度の上昇は24時間後まで継続すること。もう1つは、合成感度の上昇が24時間継続することは、トレーニング経験の有無に関係しない、ということです。
こうした研究報告を受けて、2017年には国際スポーツ栄養学会から「トレーニング後の少なくとも24時間は筋タンパク質の合成感度が高まる」との公式見解も発表されており、現在はスポーツ科学やスポーツ栄養学で広くコンセンサスが得られています。
□筋トレ直後にプロテインを飲んだだけではダメ
「筋トレ後すぐ」はプロテインを飲むなど、タンパク質摂取に気をつけている人は多いでしょう。
しかし、前述のとおり筋トレ後の24時間は、筋タンパク質が合成されやすくなります。翌朝の朝食、昼食、夕食など、時間が経ってからの食事にも注意を払っているでしょうか。特に、朝食や昼食を食べない偏食が習慣化している場合は、筋トレ後の朝食、昼食でしっかりと最適なタンパク質の摂取量を取るようにしましょう。
筋トレ後の24時間の3食でバランス良くタンパク質を摂取することが、筋トレの効果の最大化に繫がるのです。
2.良質なタンパク質とは?
■最強のタンパク質は、肉、卵、牛乳、大豆
良質なタンパク質の指標「アミノ酸スコア」
筋トレ効果を高めていくうえで、タンパク質は必要不可欠です。しかし、質の悪いタンパク質を摂っても筋トレの効果は高まりません。必要なのは、筋タンパク質の合成を促させる「良質なタンパク質」です。
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸は、体内では合成できず食事から摂取しなければならない9種類の「必須アミノ酸」と、体内で合成できる11種類の「非必須アミノ酸」に分けられます。
筋タンパク質は必須アミノ酸でしか合成されず、かつ、9種類のどれが欠けてもいけません。筋トレ後に摂取すべき良質なタンパク質とは、「9種類のすべての必須アミノ酸をバランスよく含む」ことが絶対条件になるのです。
とはいえ、必須アミノ酸をバランスよく含むタンパク質はどのように見分ければいいのでしょうか?
図
そこで登場するのが、食品やプロテインに含まれる必須アミノ酸の含有率を数値化した「アミノ酸スコア」と呼ばれる指標です。これは、国際連合食料農業機関(FAD)や世界保健機構(WHO)でも認められた指標です。
9種類すべての必須アミノ酸量がバランスよく含まれ、それぞれ基準値を満たしている場合、アミノ酸スコアは満点の「100」となり、その食品やプロテインは「良質なタンパク質」とみなされます。100に満たない場合は1つ、もしくは複数の必須アミノ酸が基準値以下であることを示します。
インターネットで「アミノ酸スコア」と検索するとアミノ酸スコアの掲載されたページが沢山ありますので、普段食べている食品のアミノ酸スコアを調べてみると面白いですよ!
代表的な食品とプロテインのアミノ酸スコアをみてみると、肉や牛乳といった動物性食品や大豆、プロテインのスコアは100となっていますが、ホウレンソウなど植物性食品や精白米は100に届いていません。
肉や乳製品といった動植物性食品やプロテインが「良質なタンパク質」であると言われるのは、このアミノ酸スコアによるのです。
■BCAAよりも9つすべての必須アミノ酸を摂ろう
必須アミノ酸のなかでも、近年特に注目してされているのが「分岐鎖アミノ酸(BCAA/Branched Chain Amino Acids)です。アスリートを中心に、運動に効果的な必須アミノ酸として認知されらようになり、様々なお店で「BCAA配合」と書かれたプロテインやサプリメントを目にすることも増えています。また、食品では、肉、卵、大豆、牛乳などに含まらます。
BCAAとは3種類の必須アミノ酸、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。アミノ酸はアミノ基、カルボシル基、水素、側鎖で構成されていますが、BCAAは側鎖が枝分かれした特徴的な構造をもつことからこの名がつけられました。
他の必須アミノ酸との最たる違いは、BCAAは肝臓ではなく、主に、筋肉でしか代謝されないことです。この特徴から「必須アミノ酸9種類のうち、BCAAだけが筋肉でしか使われないのなら、これをたくさん摂れば、筋タンパク質の合成を効率的に促進できるのではないか?」と考えられるようになったのです。
しかし、スポーツ科学やスポーツ栄養学における最新のエビデンスな、この考えを否定しています。
2017年、イギリス•エクセター大学のジャックマンらは、筋トレ後の筋タンパク質の合成率について、BCAAを摂取した場合の効果について検証しています。実験ではトレーニング経験のある20代男性を集め、筋トレ後にBCAAを溶いた飲料を飲むグループと、前述の飲料にそっくり似せたプラセボ飲料(中身は無害の粉と水)を飲むグループに分けて行われました。筋トレを行った4時間後、筋タンパク質の合成率を測定すると、プラセボのグループに比べて、BCAAのグループは筋タンパク質の合成率が22%もぞうかしていていました。
次にジャックマンらは必須アミノ酸をすべて含むホエイプロテインを使い、同様の実験を行なっています。その結果、プラセボ飲料のグループに比べ、ホエイを飲んだグループは筋タンパク質の合成が50%も増加したのです。
この結果から「BCAAの摂取だけでも筋タンパク質の合成は高まるが、合成作用をより高めるためには、すべての必須アミノ酸を十分に含んだタンパク質の摂取が推奨される」と述べています。
この知見は2018年の国際スポーツ栄養学会の報告でも支持され、現在はさまざまな分野でコンセンサスを得ています。
筋タンパク質の合成を高めるためには、特定のアミノ酸だけでなく、9つすべての必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なタンパク質を摂ることが大切なのです。具体的にはBCAAのサプリメントよりもホエイなどのプロテインを優先して摂取すること、BCAAのサプリメント飲むのであれば、一緒にアミノ酸スコアが100である牛などの赤身、鳥の白身肉、たまご、牛乳なども摂取することが筋肉の効果をより高めるでしょう。
□ロイシンの知られざる機能
ロイシンBCAAの1つである「ロイシン」は筋タンパク質の合成に強く影響しています。
前の記事で紹介した、筋タンパク質の合成にスイッチを入れる物質、mTORをロイシンは活性化させています。
2014年のマクマスター大学のチャーチワードらは、ホエイプロテインに対するロイシン量の影響について検証しています。少量のホエイプロテインに多量のロイシンを加えると、大量のプロテインと同等の筋タンパク質合成率が高まったことが確認されました。
この結果はロイシンがタンパク質の合成率なら強く影響していることを示しています。
2017年の国際スポーツ栄養学会の公式声明でも、「0.7g~3gのロイシン量」が推奨されています。
□食品、プロテインを選ぶ際に確認すること
筋タンパク質の合成を高める良質なタンパク質とは、「アミノ酸スコア100」であり、かつ「ロイシンを2g以上含む」食品やプロテインであることが考えられます。
タンパク質の正しい摂取方法①
今回の記事からトレーニング後の正しい栄養補給、つまりタンパク質摂取の方法を解説していきます。
激しいトレーニングだけ行ったとしても、筋肉は大きくなりません。筋肉を強く大きくするためには正しい理論に基づいた運動と栄養摂取が必要不可欠です。
栄養の話に入る前に、生物学や栄養学の面から私たちの体の仕組みを見ていきます。
■人間の身体をつくるタンパク質とアミノ酸
人間の身体は約69%が水分で構成されています。そのほか、脂肪やミネラルなどがありますが、水分の次に多いのが、全体の約20%を占めるタンパク質です。タンパク質は心臓や肺といった臓器をはじめ、皮膚や爪、髪の毛、ホルモン、血液、免疫成分など、身体を構成する様々な物質を作るための原料となっています。
筋肉の最小単位のアクチンとミオシンという筋タンパク質からできています。つまり、筋肉を増やすことは、筋タンパク質を増やすことと同義なのです。
タンパク質は「アミノ酸」と呼ばれる分子が数十~数十万個単位で組み合わさってできています。
アミノ酸は基本構造としてアミノ基(NH2)、カルボシル基(COOH)、水素(H)、側鎖(R)で構成されています。この側鎖に様々な分子が繋がることで、アミノ酸は多種多彩な機能を発揮するようになります。
タンパク質の材料となるのはわずか20種類のアミノ酸です。
20種類のアミノ酸は、9種類の必須アミノ酸と、11種類の非必須アミノ酸に分けられます。必須アミノ酸ら体内で作り出すことができないため、食事などで摂取しなければなりません。非必須アミノ酸は、バランスのとれた食事で栄養補給をしている限り、体内で作り出すことができます。
タンパク質を作る際に、アミノ酸は無秩序に組み合わさっているわけではありません。DNAの塩素配列(遺伝子情報)には、タンパク質の合成方法を示す設計図(アミノ酸配列の情報)が記されています。この設計図をもとに、組み合わせるアミノ酸の種類や数、並び順が決まり、臓器や皮膚、筋肉など、目的に合わせたタンパク質が作られます。
また、アミノ酸が2個以上結合した状態を「ペプチド」と呼びます。アミノ酸が2個結合すると「ジペプチド」、3個では「トリペプチド」、10個程度では「オリゴペプチド」、それ以上では「ポリペプチド」となります。ペプチドとタンパク質の間に明確な線引きはありませんが、一般的にアミノ酸が50~100個以上結合したものをタンパク質と呼びます。
体内に入ったタンパク質はこの結合とは真逆に流れ、つまりタンパク質をアミノ酸レベルにまで分解したうえで、もう一度合成するプロセスを経ていくことになります。
例えば、ステーキ(タンパク質)を食べた場合、胃に入ると胃酸によって変性(やわらかく)され、粘膜細胞から分泌された消毒酵素(ペプシン)によってポリペプチドに分解されます。胃の消化を終えると、次の次の十二指腸では膵液中の分解酵素によってオリゴペプチドに分解されます。その後は小腸に入り、消化酵素によって単体のアミノ酸まだ分解され、小腸の粘膜や上皮細胞から吸収されます。
小腸で吸収されたアミノ酸は、最終的に毛細血管を伝わって門脈(肝臓に流入ふる太い血管)に入り、肝臓へと集められます。
そしてここから、アミノ酸は肝臓からすぐ使う分は血液中に放出されて、それ以外はアミノ酸プールに貯蔵されています。血液中や組織内に「アミノ酸が遊離した状態」にあることを指します。十分な量のタンパク質を摂取すると、血液中のアミノ酸濃度が上昇し、体内がアミノ酸リッチの状態になります。
体内がアミノ酸リッチの状態になると、筋細胞はDNAの塩素配列から写しとった設計図に従ってアミノ酸を結合し、アクチンやミオシンといった筋タンパク質を合成していきます。つまり、体内に入ったタンパク質は消化•分解→吸収→貯蔵→合成という流れを経て筋肉へと作り替えられていくわけです。
しかし、単純にタンパク質を合成しているだけでは、現状の筋肉量を維持する程度にしか筋タンパク質は合成されません。合成を促進し、筋肉を大きくするためには、食事による栄養摂取とともに、運動がもたらす刺激によって「筋タンパク質の合成感度」を高めていかなければなりません。そのための最適な運動が筋肉トレーニングです。
■筋トレ後のタンパク質摂取は理に適っている
近年、アミノ酸の安定同位体を用いる研究手法が確立し、アミノ酸の合成•分解を詳しく調べる方法が生み出されたことで、次々と新たな知見が報告されています。現代のスポーツ科学や栄養学では「筋トレだけでは筋肥大は生じない」こと、「筋トレ後にタンパク質を摂取する」ことご常識として定着しています。
その1つの根拠になったのが、アメリカのシュライーズ•バーンズ研究所のビオラ研究所です。
ビオラは①空腹とのとき、②タンパク質を摂取したとき、③空腹状態で筋トレをしたとき、④筋トレ後にタンパク質を摂取したとき、の4パターンで筋タンパク質の合成量と分解量を計測しました。
その結果、「空腹のとき」は筋タンパク質の分解量が増加し、「タンパク質を摂取する」と合成量が増加しました。空腹になると体内のアミノ酸濃度が不足し、それを補うために筋タンパク質を分解してアミノ酸が作り出されます。そうなれば、当然、筋肥大は起こりにくくなります。ここでタンパク質を摂取すると、体内がアミノ酸リッチの状態に戻り、筋タンパク質の合成量が増加していくことになります。
「空腹状態で筋トレをしたとき」は、筋タンパク質の合成量は増加しませんでした。つまり、筋トレによって筋タンパク質の合成感度を高めても、体内のアミノ酸が不足した状態では合成量は高まらないのです。
「筋トレ後にタンパク質を摂取したとき」は、筋タンパク質の合成量が顕著に増加しています。
現状の筋肉量を維持するだけなら、適度な運動と食事だけで十分です。しかし、筋肥大を目指す場所は、筋トレ後のタンパク質摂取量が重要になるということです。
筋トレをする→筋タンパク質の合成感度が高まる→タンパク質を摂取する→筋タンパク質の合成が促進されます→筋肥大が生じる
筋肥大を目指すならこの一連のサイクルを回し続けることが大切になります。
トレーニング効果を高めるコンディション作り
今回の記事ではトレーニングの効果を最大限に高める体調にするための方法を解説します。
トレーニング前のコンディションによって、トレーニングの成果に大きな差が出てくるので、かなり重要です。
トレーニングの成果を最大限に伸ばせる体調の調整方法は以下の3点です!
•十分な睡眠をたっぷりとる
•トレーニング直前にストレッチはしない
■睡眠の重要性
まずは睡眠の重要性から解説します。トレーニングの効果を高めるためには週単位の総負荷量をいかに増加させるかです。
• 総負荷量が減少する
睡眠はこの総負荷量の増減に大きく関わってきます。2012年イギリスのスポーツ期間であるUKスポーツで睡眠時間によるトレーニング効果への影響について調査が行われました。
被験者として集められたアスリートは睡眠時間が8時間以上のグループと睡眠不足である6時間未満のグループに分けられ、それぞれのグループはベンチプラスやスクワット、ベントローといった、多関節トレーニングを行いました。その結果、睡眠時間が6時間未満のグループは、8時間以上のグループに比べて全ての種目での総負荷量が減少しました。睡眠不足はトレーニングの効果を減少させるのです。
更に睡眠不足はモチベーションや集中力を低下させてしまいます。
• 睡眠不足だと筋肉に取り込まれる「糖」が不足する
チュニジアのスポーツ医科学国立センターやオーストラリアのディーキン大学のノウルズらの研究により、睡眠不足は多関節トレーニングに影響することが分かっています。その原因は「筋グリコーゲンの減少」です。
筋グリコーゲンは筋肉に蓄えられる糖のひとつで、筋肉が収縮するエネルギー源になります。
ランニングなどの有酸素運動は酸素と筋グリコーゲンをエネルギー源として使用します、しかし、筋トレのような無酸素運動は筋グリコーゲンのみをエネルギー源として使用します。
2011年、オーストラリアのチャールズ•ストラート大学で睡眠不足のアスリートを対象に筋グリコーゲン量の検証が行われ、睡眠不足時は筋グリコーゲン量が減少していることが確認されています。
また、糖を体内に取り込むインスリンという物資も機能を低下させてしまいます。こちらも、2017年、イギリスのスターリン大学で検証され、機能低下が確認されています。
睡眠不足だと筋トレ寺に必要なエネルギー源が減少してパフォーマンスが低下してしまうのです。
• 睡眠不足の改善法
そのうち別記事で睡眠不足の改善法を集中して紹介したいと思いますが、ひとまず簡単で効果的な方法をご紹介します。
• カフェインを控える
コーヒーなどのに含まれるカフェインが睡眠に影響するのは一般的なので、知らない人はほとんどいないと思います。コーヒーを一杯分飲むと30分後ぐらいから効きはじめて、飲んでから8時間後ぐらいまでは効果が持続されます。
普段、コーヒーを飲む人はなるべく、午後の2時以降は飲まない方が睡眠不足の予防になるでしょう。
• 入浴の2時間前から喫煙を控える
タバコに含まれるニコチンは中枢神経の興奮物質であり、不眠症を引き起こす可能性があります。ニコチンは心拍数を速め、血圧を上昇させ、覚醒を示す速い脳波活動を刺激します。
入浴の2時間前はもっと喫煙を控えるのが良いでしょう。
• アルコールを過剰に摂取しない
アルコールを飲むの寝付けが良くなると言われていますが、良質な睡眠をとるなは逆に妨げになります。深い眠りについてる状態、レム睡眠と言いますが、アルコールはこの状態から覚醒を促します。質の良い睡眠をとるためには、アルコールを控えるようにしましょう。
■筋トレ前にストレッチをしてはいけない
運動前にストレッチをするのは怪我の予防につながるなので、アスリートは運動前に必ずストレッチをします。しかし、ストレッチは筋トレにはマイナスな作用が働きます。それは、筋トレのパフォーマンスを低下させてしまうことです。
2004年、カナダ、SMBJ病院のシュライアーらは、世界で初めてストレッチが筋トレやジャンプなどの瞬発力を低下させることを明らかにしました。さらに、アメリカ•ルイジアナ州立大学のネルソンらは、「トレーニング前のストレッチは筋肥大の効果を低下させる」という公式声明を発表しました。
ネルソンらの実験では、被験者達をストレッチを行った場合と行っていない場合とに分けてトレーニングの回数を記録しました。そこでは、被験者達にレッグカールを疲労困憊まで行わせました。そして、ストレッチを行った被験者の回数は24%も少なくなっていることが明らかになりました。
ブラジル•サンパウロ大学のバローゾらは、ストレッチが運動回数を減らしてしまう理由は3つあると主張しています。
• 筋肉をまとめて動かす「運動単位」が一部しか働かなくなる
トレーニングよって筋肥大の効果を高めるには、筋肉を形作っている全ての筋繊維を収縮させることがポイントになります。1つの運動神経と複数の筋繊維がまとまったチームのようなものです。筋肥大の効果を高めるには、これら全てのチームを動かす必要があります。しかし、運動前にストレッチをすると神経活動の発火頻度が減少し、全てのチームてまはなく一部のチームしか働かなくなります。一方のチームはしっかり働いてる、もう一方のチームはサボっている、ということが起きるのです。
• ストレッチが筋肉の粘りを低下させる
筋肉には「弾性要素」と「粘弾性要素」によって構成にされ、ある程度の粘りがあるため、ゴムのような伸び縮みして、自在に動かす事ができます。ストレッチをするとこの性質が低下するため、結果的に筋力を低下させるのです。
• ストレッチによって筋肉の血流が極度の貧血になる
ストレッチによって筋肉が阻血状態になったままトレーニングを行うと疲労物質を除去できず、疲れやすくなります。結果、運動回数を増やすことができなくなります。
ストレッチはトレーニングの総負荷量を減少させてしまうのです。
■最強のウォームアップは有酸素運動
ストレッチでは筋トレの総負荷量を減少させたいしまうため、筋肥大の効果を低下させてしまいます。では、トレーニングの効果を最大化させるために、どんなウォームミングアップが望ましいか。
それは有酸素運動を10分、その後特異的ウォームアップを行う!
ウォームアップはその名の通り筋肉が温まることを意味します。ウォームアップにより筋肉の温度が1度上昇することが4.7~4.9%増加し、垂直跳びの高さが4.2~4.4%増加することがわかってます。
ジョギングやペダリングといった有酸素運動を中等度の負荷(最大心拍数の60%)で10~20分間行うウォームアップ方法によって筋肉の温度がピークを迎えます。
さらに特異的ウォームアップ(トレーニングの動作と同じ運動を軽い強度で行う)により神経、筋活動の活性化により、トレーニングの運動強度と運動回数をさらに高めます。
野球では、バッターは打席に立つ前に素振りをします。ピッチャーはマウンドに立つ前に投球練習をします。これにより、神経活動の強化、脊髄の反射的電気活性の増大、筋肉内のカルシウムイオンの増加といった生理学的な作用が働きます、パフォーマンスの向上に繋がることが明らかになっています。
サンパウロ大学のアバドらは、有酸素運動と特異的ウォームアップの後にトレーニングを行うと、ウォームアップ無しの時に比べて筋力が増加していることをかくにんしています。またリオデジャネイロ•フェデラル大学の研究により、特異的ウォームアップが被験者の運動回数を増加させたことを確認しています。
これらの結果から有酸素運動と特異的ウォームアップによってトレーニングの総負荷量を増やすことが可能となり、筋肥大や筋力アップにつながるといえます。
筋力を強くするならどんなトレーニングがいいの?
前回の記事まで、筋肉をどうすれば大きくできるか、というテーマで解説してきました。
今回は筋力を強くするために必要なのはいい方法とは何か?をテーマに解説していきます。
ポイントは3つです。高強度のトレーニング、6秒以下のスピードでトレーニング、週単位の総負荷量から頻度を調整する、です。
■高強度のトレーニングを解説します。
アメリカスポーツ医学会は「高強度トレーニングが推奨される」と答えています。具体的には、1RMの80パーセント以上の高強度トレーニングを推奨しています。
なぜ、筋力増強には低強度や中強度は含まれず、
高強度トレーニング一択なのでしょうか?
もういちどサイスの原理をおさらいします。
何十万とある筋繊維を全て収縮させることが筋肥大へとつながります。筋肉をどの程度収縮させるかは”運動単位”(脊髄から伸びる運動神経と筋肉との繋がりのユニット)へどれくらいの強度で働きかけたかによって決まります。
例えば、低強度のトレーニングならちいさな運動単位が優先的に動員され、高強度のトレーニングなら大きく運動単位が動員されるようになり、使われる筋繊維の数も増えていきます。
筋繊維が収縮する姿は、発揮する力の強度に応じて異なるサイズの運動単位を使い分ける「サイズの原理」にもとづいているのです。
強い力を発揮するためには、大きな運動単位を動員して収縮させることが絶対条件となります。1つの筋肉には大きな運動単位が複数ありますが、強い力を発揮するにはそれぞれ大きな運動単位がバラバラではなく、同じタイミングで収縮することが重要になります。これを「運動単位の同期」と言います。
もう1つ、強い力を発揮する上で重要なのが、「神経活動の発火頻度(レートコーディング)」です。神経活動の発火頻度を高めれば、多くの運動単位が同じタイミングで動員され、より高い筋力が発揮できるようになります。
ほとんど経験したこのない高強度のトレーニングを繰り返していると、脳の中では神経活動の発火頻度が高まり、複数の運動単位を動員•同期して強い力を発揮するように神経ネットワークん再構築していきます。そのネットワークが完成すれば、より高強度の重量にも対応できる神経と筋肉へと増強され、必要な筋力が発揮できるようになります。
2017年、ニューヨーク市立大学のシェーンフェルドらは、1RMの80%以上の高強度と同80%未満の中~低強度のグループに分類し、6週間のトレーニングによる筋力増強の効果について分析した結果、高強度トレーニングの方がより優位な筋力増強効果があることご示されたのです。
筋肉を高めるには、高強度の重量を用いたトレーニングが有効であり、これは神経活動の適応のメカニズムに一致するのです。
■筋力増強には「6秒以下」で最大化されます!
シドニー大学のデイヴィースこのように
結論づけています。これは15の研究報告からなり、被験者の総数は509名、男性292名、女性217名、年齢は19~73歳、トレーニング経験者だけでなく未経験者も含んでいます。この被験者達からのデータを2~4秒、4~6秒の運動スピードに分けて解析しました。両者とも筋力増強には約20パーセント増が確認されましたが、大きな差はありませんでした。
これにより、年齢やトレーナーの経験の有無にかかわらず、6秒以下の運動スピードが筋力増強の効果を最大化させることが明らかになりました。
筋繊維には収縮速度の速い速筋と遅筋という種類があります。速筋は瞬発力を遅筋は持久力に関わってきます。速いスピードでトレーニングしないと速筋は増強されないのです。
■筋力増強も目標総負荷量から頻度を調整する
アメリカスポーツ医学会は、2009年に発表した公式声明で筋力増強のためのトレーニングは「週2~3回の頻度が推奨される」と述べています。しかし、これには科学的根拠がなく、推測から導き出された概念的なものにすぎないと認識されてきました。
ヴィクトリア大学のgrgicらは22の研究報告をもとに、週の頻度と筋力増強効果の関連について解析しました。その結果、週の頻度を多くすると筋力が増強することが確認されました。さらに、トレーニング内容(単関節または多関節)や年齢、性別による効果を解析したところ、以下のことが明らかになりました。
週の頻度を増やすと、多関節トレーニングの方が単関節トレーニングと比べて筋力の増強が確認されたのです。筋力増強のために必要な神経活動の適応を高めるため、多関節トレーニングのような複雑な動きには頻度を高めて運動単位の動員、同期、神経の発火活動を身体に学習させる必要があります。
では、週の総負荷量が同じなら筋力増強はどうなるでしょうか?
イギリス•西スコットランド大学のラルストンらは、週単位の総負荷量が同じなら場合における、週の頻度による筋力増強効果を検証した12の報告をもとに確認しています。この解析は、週の頻度を低頻度(週1回)、中頻度(週2回)、高頻度(週3回以上)の3つに分けて行われました。その結果、週単位の総負荷量が同じ場合、週の頻度を変えても筋力増強効果に差は見られなかったのです。
この結果、ラルストンらは、筋肥大と同様に、筋力増強においても週単位の総負荷量が効果の指標になると述べています。
こういった最新の研究結果により、週単位の総負荷量によって、トレーニングメニューや回数、頻度を調整することが可能であることが明らかになりました。
筋肥大は総負荷量で決まる
従来の筋肉増加の研究では、高強度のウエイトトレーニングをこそが筋肉量増加の唯一の方法だとされていました。
筋肥大は運動単位の十分な動員によって活性化された細胞内機構が、筋タンパク質の合成作用を促進させることによって生じます。
高強度のトレーニングなら全ての運動単位を働かせることになり、それが筋肉量増加につながるからです。
しかし、近年、高強度のトレーニングじゃなくても筋肥大の方法が発見されました。
前回の記事でも少しご紹介しました、総負荷量を高めるトレーニングです。これは、低強度でも負荷量の総数を高強度トレーニングの総と同じに合わせることです。
総負荷量は、「トレーニングの強度(重量)×回数×セット数」で導き出されます。
これにより、怪我をするリスクを大幅に下げることができるようになりました。また、高強度だと苦痛が少なからずあるので挫折する人も多いのですが、低強度なら高強度に比べてそういったストレスを抑えることができます。
でも、筋肥大に大事なのは週にどれだけ総負荷量を高められるか、です。
例えば、A君と、B君の2名に別々の同じ種目、違う頻度、さらに総負荷量が同じになる下記のトレーニングを行なったとします。
•A君のベンチプレスを20kgを10回、4セットを週に2回、総負荷量は800kg
•B君にはベンチプレスを10kgを10回、2セットを週4回、総負荷量は800kg
2人の筋肉の増加量に有意な差は生まれません。
これと同じ実験をしたオクラホマ州立大学のコルクフーンらによる研究報告で証明されています。
このことから言えるのは、「筋肥大の効果は一回の増加量ではなく、週単位の総負荷量によって決まるのです」
アメリカスポーツ医学会の公式声明としても上がっています。
次は可動域(関節を動かす範囲)についてです。
筋肉増加により効果があるのは可動域は限界まで関節を伸ばす!です。
フルレンジ(可動域いっぱいに曲げ伸ばす、力は出ないが総負荷量は高い)パーシャルレンジ(フルレンジの中間の角度で伸ばす、力は出るが総負荷量は低い)どちらの方法がより効果的なのかはこれまで、筋トレを研究する人たちの間で意見が分かれていました。
筋肉の繊維は「生体長」という最大の収縮力、つまり筋力が発揮される長さがあります。
例えば、アームカールは主に上腕二頭筋が活動しますが、その筋肉の長さはひじの関節の角度によって決まります。ひじの可動範囲は0度から130度までありますが、中間域である70度付近が上腕二頭筋の生体長となります。これが最大筋力を発揮する角度になるため、パーシャルレンジの方がフルレンジよりラクに感じるのです。
疲れてくると可動の角度が小さくなるのはこのためです。
ブラジルのフェラデル大学のピントらは関節を動かす範囲の異なりによるトレーニング効果について報告しています。40名の被験者をパーシャルレンジとフルレンジのトレーニングを行うグループに分けて実感しました。結果はフルレンジの被験者の方がパーシャルレンジの被験者より約2倍の値で筋肉のが確認されました。
筋肉増加にはフルレンジの方がより効果的なのです。
ただし、フルレンジは怪我のリスクも高まることがフェラデル大学の実験で確認されています。フルレンジはパーシャルレンジよりも筋肉へのダメージから回復するのが遅かったのです。よって無理はしない重さを設定トレーニングのプランを組み立てるしてことが大事です。
続いて、休憩の方法についても解説します。
結論を先にいえば、休憩時間は2分以上がおススメです。
休憩は、短時間か?長時間か?スポーツ科学の分野では短時間派(1分間)と長時間派(3~5分間)に分かれ、長らく議論されていました。短時間はの主張には根拠として「成長ホルモンの分泌の増加」を挙げていました。
確かに成長ホルモンの増加は短時間のトレーニングの方がより多く確認されています。
ところが、成長ホルモンの増加は、筋タンパク質の合成作用や筋肥大に寄与していないことがわかってきました。
これはマクマスター大学のウェスト、ミッチェルらの研究により証明されています。
最適な休憩時間には個人差がありますが、1つの基準になるのが、「週の総負荷量を多くする」、です。
短い休憩時間と長い休憩時間のトレーニングを比較したとすると、総負荷量に差が出ます。短い休憩時間だと早く負荷の限界を迎えます。
長時間、具体的には2分以上の休憩であれば、より多くの負荷量を稼ぐことができるはずです。
成長ホルモンは筋肉増加には関係ない。総負荷量にを多くするためには長時間休憩が必要なのです。よって筋肉増加には長時間の休憩が必要になるのです。
筋トレの週の頻度は週3回でも6回でも効果は同じです!
日々の生活が完全にルーチン化できる仕事をしている人なら、頻度を調整することに困ることはないでしょう。しかし、不規則なスケジュールで働かざるしかない人は頻度を規則的に調整するのは難しいでしょう。
しかし、安心してください。筋肥大の決め手になるのは総負荷量です。
2016年、ニューヨーク市立大学のシェーンフェルドらは、筋肥大の効果と週単位のトレーニング頻度に関する報告をしました。
•週1日のトレーニングでは効果がない
•週2日で筋肥大の効果が認められた
•週3日でも同様の効果が認められた
また、オクラホマ州立大学のコルクフーンらによる研究報告です。2018年、コルクフーンらは被験者を集めて頻度を週3回と週6回のグループに分けてトレーニングをさせました。両グループとも総負荷が同じになるように強度と回数、セット数が設定されました。結果は頻度に違いがあっても筋肉の増加量に差は出なかったのです。
これにより、週単位の総負荷量が同じあれば、週の頻度は3回でも6回でも効果に変わりはないことが証明されたのです。
筋トレのの指標になるのは総負荷量です。トレーナーを始める前に週単位の総負荷量を記録して、それを基準にトレーニング強度や回数、セット数、頻度を調整してメニューを作るのが効果的なのです。
筋肉が大きくなるメカニズム
スポーツ科学の分野では筋トレの目的は2つに分けられます。
•筋肉を大きくする(感肥大)
•筋力を強くする(筋力増大)
アスリートではない多くの方は魅せる身体作りが目的だと思います。当ブログでもこの筋肥大のための戦略を解説していきます。
最初に筋繊維から放出される因子により筋肉がどのやつにして大きくなるかをご説明します。専門用語も少し使いますが、あまり複雑にならないよう解説していきたいと思います。
分子生物学や生体力学、脳科学など、他分野の最新の研究が導入されるようになり、従来分からなかった筋力肥大のメカニズムが解明されつつあります。
筋肉は数十万本という筋繊維が束になって形作られています。筋肥大は筋繊維の一本一本を肥大化させることで生じます。筋繊維は1つの細胞が細長くなったもので、アクチンとミオシンといった筋タンパク質からできており、筋繊維の肥大は筋タンパク質の合成によってもたらされます。
筋タンパク質は24時間、常に「合成」と「分解」を繰り返しています。普段、私たちの身体は食事なので十分な栄養を摂ることで、筋タンパク質の合成と分解が均一に保たれて、現状の筋肉量を維持することができます。したがって、食事にプラスしてトレーニングを行えば、筋タンパク質の「合成」が「分解」を上回るようになり、筋繊維は肥大化していくことになります。
例えばバーベルトレーニングを行ったとします。体内では下記の一連の働きが生まれます。
筋繊維の収縮→カルシウムイオン+ホスファチジン酸+インスリン様成長→哺乳類ラパマイシン標的タンパク→タンパク質合成
筋繊維から放射されるこれらがタンパク質の合成を促進させます。
ハーバード大学の研究発表によると、筋肉は発揮する力の大きさに応じて小さな運動単位から大きな運動単位を順番に動員させていく、という「サイズの原理」を提唱しました。
筋肉の収縮をコントロールしている脊髄から伸びる運動神経はいくつかの筋繊維と繋がっています。この1つ繋がりのユリットを「運動単位」と言います。運動単位は1つの運動神経が数十本の筋繊維を支配する「小さな運動単位」と、数百本から数千本の筋繊維を支配する「大きな運動単位」に分けられます。この大小の運動単位は、全身の筋肉に様々な割合で分布しています。
大小の単位は、発揮する力の強度に応じて収縮なら動員させる運動単位を変えています。例えば、低強度トレーニングであれば、小さな運動単位が優先的に動員され、強度を高めていくと大きな運動単位が動員されるようになり、使われる筋繊維の数も増えていきます。筋繊維が収縮する数は、発揮する力の強度に応じて異なるサイズの運動単位を使い分ける「サイズの原理」にもとづいているのです。
収縮する筋繊維の数が発揮する力の強度によって変わるのであれば、高強度トレーニングを行うことが、全ての筋繊維をまんべんなく収縮させるための効果的な方法だと考えられます。
2008年、アメリカスポーツ医学会は、「筋肥大には高強度トレーニングが有効である」という公式声明を発表しています。具体的には「トレーニングによる筋肥大の効果を高めるためには、1RMの70%以上の高強度で、初心者は8~12回、経験者は1~12回の回数を行うことを推奨する」としています。
このアメリカスポーツ医学会の公式声明が筋肥大における”常識"となり、多くのメディアやトレーナーが高強度トレーニングを勧めるようになったのです。
でも実は低強度トレーニングでも筋肉は大きくできます。
高強度トレーニングは身体への負担が大きく、最初は簡単ではありません。また当然、「つらさ」「苦しさ」を伴うため、継続するのはしんどくなります。対して低強度トレーニングは大きな運動単位を刺激するのことがないため筋肉を大きすることが難しいと言われていましたが、近年、低強度トレーニングでも「ある条件」を満たせば、小さな運動単位だけでなく大きな運動単位を動員でき、高強度のそれと同等の効果を得ることがわかってきたのです。
アミノ酸トレーサーを用いた新たな測定技術が研究に応用され、筋タンパク質の合成要素を直接的に測定できるようになりました。これによって従来の”常識”を覆す新たな知見が報告されたのです。それは、次のようなものでした。
•低強度トレーニングでも、『総負荷量』を高めることで高強度トレーニングと同等の筋肥大の効果が期待できる。
•総負荷量は、トレーニングの強度(重量)×回数×セット数によって決まる
この報告により、筋トレの”常識”はがらりと変わってしまったのです。現在はさらに研究が進み、筋肥大の効果を最大化するための「筋トレ方式」が導き出されています。
筋肥大の効果=総負荷量(強度×回数×セット数)×セット間の休憩時間×関節を動かす範囲×運動スピード×筋収縮の様式×週の頻度
次回の記事では筋トレ方式の各要素を最新のスポーツ科学の観点から解説していきます。
筋トレを始める前にお読みください
「えーっ!いつのまにかそんな身体になったの?」
「去年と全然違うじゃん、どうやってマッチョになったの?」
2018年の8月に海に遊びに行ったときに、友人から言われました。自信満々にビーチを闊歩できる圧倒的な優越感を感じながら、本当にトレーニングをがんばって良かったと思いました。
誰でも一度は割れた腹筋の鍛えぬかれた身体を手に入れたいと思ったことはあると思います。わたしも長年その思いを持ちながらも妄想でいつも終わっていました。でも、いつかは手に入れてやると思いながらも大した努力をする事なく30歳を迎えてしまいました。
ある時、自分の人生のカッコよくて輝く時期がてなることなく、本気で追うこともなく、もう少しで終わってしまう、とういことに気づいたキッカケがありました。
せっかくの一度きりの人生、徹底的にやり込んだ時期があってもいいのではないか、そう自分に言い聞かせて、何かやってみようと思い奮起しました!
自分が最高にイケてる時間を味わってみたいという思いが爆発したのは、格闘技の動画を観たときです。日本の格闘技ブームが再起するタイミングでした。
当時のK1のスター選手の武尊さんの試合動画を観て、ただ、ただ、カッコいい人だと思いながら興奮して試合を観ていました。
格闘技選手の身体ってホントかっこいいんですよね。人をぶっ倒すために練られ鍛えられた身体は無駄がなく機能美に溢れています。
自分もこんな男になりたい!俺も格闘技やるぞ!と決意して近所のキックボクシングジムに通い始めました。
キックボクシングをその年の正月明けから始めて、有酸素運動や筋トレの方法論を本格的に学ぶようになりました。
それまでは、私のやってきた運動といえばランニングだけで、それを15年近くやってました。継続して走っていたおかげで余分な脂肪は付きにくい体質になっていました。細身の体型なのでジャケットのようなピタッとハマる服を着てれば「スタイルが良い」と人から言われることもありましたが、何か違う、自分の理想の体型ではないな、と常々感じていました。
入門してからサンドバッグやミット打ちの練習が楽しくて週2回、一回あたり4時間ぐらい練習していました。
当初は護身用に、通り魔にでも襲われたときにカッコよくやっつけたい、程度の願望から練習していました。特に減量を目指していた訳ではないのですが、もともとあった体重の77キロから開始1ヶ月かくらいで体重が73キロぐらい落ちていました。3ヶ月ぐらいで
70キロになり、体脂肪は14%ぐらいでした。
それまで、ランニングを継続していても体脂肪が15%を下回ったことがなくて、本当に驚きました。
お腹の贅肉も、かつてないほど薄くなっていました。5ヶ月もすると体脂肪は12%ととなり、腹筋のシックスパックが現れていました。6ヶ月目には体脂肪は8%台になり、憧れていたK1ファイターのような身体を手に入れていていました。
人生のうちで何度も妄想の中で求めていた肉体を手に入ることができた私は”この肉体を失いたくない”、と思い始めどうすればこの身体を維持できるか?そもそもどうやってこの身体を手に入れることができたのかを知りたくなり、本格的に肉体改造の勉強を始めました。
そこで、学んだことはどんな人でも科学的なトレーニングを行えば必ず理想の身体を手に入れられる。
逆に漫然とトレーニングして適当に食事をしているだけでは効果はほとんどないとういことです。
私のブログではダイエットやボディメイクの成功には三つの要素が重要だと提唱しています。
それは、習慣化、トレーニングの方法論、食事管理術です。これらの要素がなぜ必要なのかを記事を何回かに分けて解説しています。
また、それぞれの具体的な方法もご紹介しています。
筋トレには科学的根拠に裏打ちされた緻密な戦略が必要なのです。
実は筋肉増加の研究が本格的に行われるようにここ10数年のことです。日々、様々な研究者が新しい発見をして最新のトレーニング方法を更新しています。私のブログも最新の情報にアンテナを張りながら常にアップグレードしていきます。
ぜひ!このブログ記事を活用して、ジムに行くことなく最高の自分になっちゃいましょう!