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筋肉が大きくなるメカニズム

スポーツ科学の分野では筋トレの目的は2つに分けられます。

•筋肉を大きくする(感肥大)

•筋力を強くする(筋力増大)

アスリートではない多くの方は魅せる身体作りが目的だと思います。当ブログでもこの筋肥大のための戦略を解説していきます。

 

最初に筋繊維から放出される因子により筋肉がどのやつにして大きくなるかをご説明します。専門用語も少し使いますが、あまり複雑にならないよう解説していきたいと思います。

 

分子生物学や生体力学、脳科学など、他分野の最新の研究が導入されるようになり、従来分からなかった筋力肥大のメカニズムが解明されつつあります。

筋肉は数十万本という筋繊維が束になって形作られています。筋肥大は筋繊維の一本一本を肥大化させることで生じます。筋繊維は1つの細胞が細長くなったもので、アクチンとミオシンといった筋タンパク質からできており、筋繊維の肥大は筋タンパク質の合成によってもたらされます。

筋タンパク質は24時間、常に「合成」と「分解」を繰り返しています。普段、私たちの身体は食事なので十分な栄養を摂ることで、筋タンパク質の合成と分解が均一に保たれて、現状の筋肉量を維持することができます。したがって、食事にプラスしてトレーニングを行えば、筋タンパク質の「合成」が「分解」を上回るようになり、筋繊維は肥大化していくことになります。

例えばバーベルトレーニングを行ったとします。体内では下記の一連の働きが生まれます。

筋繊維の収縮→カルシウムイオン+ホスファチジン酸+インスリン様成長→哺乳類ラパマイシン標的タンパク→タンパク質合成

筋繊維から放射されるこれらがタンパク質の合成を促進させます。

 

ハーバード大学の研究発表によると、筋肉は発揮する力の大きさに応じて小さな運動単位から大きな運動単位を順番に動員させていく、という「サイズの原理」を提唱しました。

筋肉の収縮をコントロールしている脊髄から伸びる運動神経はいくつかの筋繊維と繋がっています。この1つ繋がりのユリットを「運動単位」と言います。運動単位は1つの運動神経が数十本の筋繊維を支配する「小さな運動単位」と、数百本から数千本の筋繊維を支配する「大きな運動単位」に分けられます。この大小の運動単位は、全身の筋肉に様々な割合で分布しています。

大小の単位は、発揮する力の強度に応じて収縮なら動員させる運動単位を変えています。例えば、低強度トレーニングであれば、小さな運動単位が優先的に動員され、強度を高めていくと大きな運動単位が動員されるようになり、使われる筋繊維の数も増えていきます。筋繊維が収縮する数は、発揮する力の強度に応じて異なるサイズの運動単位を使い分ける「サイズの原理」にもとづいているのです。

収縮する筋繊維の数が発揮する力の強度によって変わるのであれば、高強度トレーニングを行うことが、全ての筋繊維をまんべんなく収縮させるための効果的な方法だと考えられます。

2008年、アメリカスポーツ医学会は、「筋肥大には高強度トレーニングが有効である」という公式声明を発表しています。具体的には「トレーニングによる筋肥大の効果を高めるためには、1RMの70%以上の高強度で、初心者は8~12回、経験者は1~12回の回数を行うことを推奨する」としています。

このアメリカスポーツ医学会の公式声明が筋肥大における”常識"となり、多くのメディアやトレーナーが高強度トレーニングを勧めるようになったのです。

 

でも実は低強度トレーニングでも筋肉は大きくできます。

高強度トレーニングは身体への負担が大きく、最初は簡単ではありません。また当然、「つらさ」「苦しさ」を伴うため、継続するのはしんどくなります。対して低強度トレーニングは大きな運動単位を刺激するのことがないため筋肉を大きすることが難しいと言われていましたが、近年、低強度トレーニングでも「ある条件」を満たせば、小さな運動単位だけでなく大きな運動単位を動員でき、高強度のそれと同等の効果を得ることがわかってきたのです。

アミノ酸トレーサーを用いた新たな測定技術が研究に応用され、筋タンパク質の合成要素を直接的に測定できるようになりました。これによって従来の”常識”を覆す新たな知見が報告されたのです。それは、次のようなものでした。

•低強度トレーニングでも、『総負荷量』を高めることで高強度トレーニングと同等の筋肥大の効果が期待できる。

•総負荷量は、トレーニングの強度(重量)×回数×セット数によって決まる

この報告により、筋トレの”常識”はがらりと変わってしまったのです。現在はさらに研究が進み、筋肥大の効果を最大化するための「筋トレ方式」が導き出されています。

筋肥大の効果=総負荷量(強度×回数×セット数)×セット間の休憩時間×関節を動かす範囲×運動スピード×筋収縮の様式×週の頻度

次回の記事では筋トレ方式の各要素を最新のスポーツ科学の観点から解説していきます。