kansainotakeのブログ

ジムやトレーナー無しでマッチョになれます!

筋力を強くするならどんなトレーニングがいいの?

前回の記事まで、筋肉をどうすれば大きくできるか、というテーマで解説してきました。

今回は筋力を強くするために必要なのはいい方法とは何か?をテーマに解説していきます。

 

ポイントは3つです。高強度のトレーニング、6秒以下のスピードでトレーニング、週単位の総負荷量から頻度を調整する、です。

 

■高強度のトレーニングを解説します。

 

アメリカスポーツ医学会は「高強度トレーニングが推奨される」と答えています。具体的には、1RMの80パーセント以上の高強度トレーニングを推奨しています。

なぜ、筋力増強には低強度や中強度は含まれず、

高強度トレーニング一択なのでしょうか?

もういちどサイスの原理をおさらいします。

何十万とある筋繊維を全て収縮させることが筋肥大へとつながります。筋肉をどの程度収縮させるかは”運動単位”(脊髄から伸びる運動神経と筋肉との繋がりのユニット)へどれくらいの強度で働きかけたかによって決まります。

例えば、低強度のトレーニングならちいさな運動単位が優先的に動員され、高強度のトレーニングなら大きく運動単位が動員されるようになり、使われる筋繊維の数も増えていきます。

筋繊維が収縮する姿は、発揮する力の強度に応じて異なるサイズの運動単位を使い分ける「サイズの原理」にもとづいているのです。

 

強い力を発揮するためには、大きな運動単位を動員して収縮させることが絶対条件となります。1つの筋肉には大きな運動単位が複数ありますが、強い力を発揮するにはそれぞれ大きな運動単位がバラバラではなく、同じタイミングで収縮することが重要になります。これを「運動単位の同期」と言います。

もう1つ、強い力を発揮する上で重要なのが、「神経活動の発火頻度(レートコーディング)」です。神経活動の発火頻度を高めれば、多くの運動単位が同じタイミングで動員され、より高い筋力が発揮できるようになります。

ほとんど経験したこのない高強度のトレーニングを繰り返していると、脳の中では神経活動の発火頻度が高まり、複数の運動単位を動員•同期して強い力を発揮するように神経ネットワークん再構築していきます。そのネットワークが完成すれば、より高強度の重量にも対応できる神経と筋肉へと増強され、必要な筋力が発揮できるようになります。

2017年、ニューヨーク市立大学のシェーンフェルドらは、1RMの80%以上の高強度と同80%未満の中~低強度のグループに分類し、6週間のトレーニングによる筋力増強の効果について分析した結果、高強度トレーニングの方がより優位な筋力増強効果があることご示されたのです。

筋肉を高めるには、高強度の重量を用いたトレーニングが有効であり、これは神経活動の適応のメカニズムに一致するのです。

 

■筋力増強には「6秒以下」で最大化されます!

 

シドニー大学のデイヴィースこのように

結論づけています。これは15の研究報告からなり、被験者の総数は509名、男性292名、女性217名、年齢は19~73歳、トレーニング経験者だけでなく未経験者も含んでいます。この被験者達からのデータを2~4秒、4~6秒の運動スピードに分けて解析しました。両者とも筋力増強には約20パーセント増が確認されましたが、大きな差はありませんでした。

これにより、年齢やトレーナーの経験の有無にかかわらず、6秒以下の運動スピードが筋力増強の効果を最大化させることが明らかになりました。

筋繊維には収縮速度の速い速筋と遅筋という種類があります。速筋は瞬発力を遅筋は持久力に関わってきます。速いスピードでトレーニングしないと速筋は増強されないのです。

 

■筋力増強も目標総負荷量から頻度を調整する

アメリカスポーツ医学会は、2009年に発表した公式声明で筋力増強のためのトレーニングは「週2~3回の頻度が推奨される」と述べています。しかし、これには科学的根拠がなく、推測から導き出された概念的なものにすぎないと認識されてきました。

ヴィクトリア大学のgrgicらは22の研究報告をもとに、週の頻度と筋力増強効果の関連について解析しました。その結果、週の頻度を多くすると筋力が増強することが確認されました。さらに、トレーニング内容(単関節または多関節)や年齢、性別による効果を解析したところ、以下のことが明らかになりました。

週の頻度を増やすと、多関節トレーニングの方が単関節トレーニングと比べて筋力の増強が確認されたのです。筋力増強のために必要な神経活動の適応を高めるため、多関節トレーニングのような複雑な動きには頻度を高めて運動単位の動員、同期、神経の発火活動を身体に学習させる必要があります。

 

では、週の総負荷量が同じなら筋力増強はどうなるでしょうか?

イギリス•西スコットランド大学のラルストンらは、週単位の総負荷量が同じなら場合における、週の頻度による筋力増強効果を検証した12の報告をもとに確認しています。この解析は、週の頻度を低頻度(週1回)、中頻度(週2回)、高頻度(週3回以上)の3つに分けて行われました。その結果、週単位の総負荷量が同じ場合、週の頻度を変えても筋力増強効果に差は見られなかったのです。

この結果、ラルストンらは、筋肥大と同様に、筋力増強においても週単位の総負荷量が効果の指標になると述べています。

こういった最新の研究結果により、週単位の総負荷量によって、トレーニングメニューや回数、頻度を調整することが可能であることが明らかになりました。