kansainotakeのブログ

ジムやトレーナー無しでマッチョになれます!

筋肥大は総負荷量で決まる

従来の筋肉増加の研究では、高強度のウエイトトレーニングをこそが筋肉量増加の唯一の方法だとされていました。

筋肥大は運動単位の十分な動員によって活性化された細胞内機構が、筋タンパク質の合成作用を促進させることによって生じます。

高強度のトレーニングなら全ての運動単位を働かせることになり、それが筋肉量増加につながるからです。

しかし、近年、高強度のトレーニングじゃなくても筋肥大の方法が発見されました。

前回の記事でも少しご紹介しました、総負荷量を高めるトレーニングです。これは、低強度でも負荷量の総数を高強度トレーニングの総と同じに合わせることです。

総負荷量は、「トレーニングの強度(重量)×回数×セット数」で導き出されます。

これにより、怪我をするリスクを大幅に下げることができるようになりました。また、高強度だと苦痛が少なからずあるので挫折する人も多いのですが、低強度なら高強度に比べてそういったストレスを抑えることができます。

 

でも、筋肥大に大事なのは週にどれだけ総負荷量を高められるか、です。

例えば、A君と、B君の2名に別々の同じ種目、違う頻度、さらに総負荷量が同じになる下記のトレーニングを行なったとします。

•A君のベンチプレスを20kgを10回、4セットを週に2回、総負荷量は800kg

•B君にはベンチプレスを10kgを10回、2セットを週4回、総負荷量は800kg

2人の筋肉の増加量に有意な差は生まれません。

これと同じ実験をしたオクラホマ州立大学のコルクフーンらによる研究報告で証明されています。

このことから言えるのは、「筋肥大の効果は一回の増加量ではなく、週単位の総負荷量によって決まるのです」

アメリカスポーツ医学会の公式声明としても上がっています。

 

次は可動域(関節を動かす範囲)についてです。

筋肉増加により効果があるのは可動域は限界まで関節を伸ばす!です。

フルレンジ(可動域いっぱいに曲げ伸ばす、力は出ないが総負荷量は高い)パーシャルレンジ(フルレンジの中間の角度で伸ばす、力は出るが総負荷量は低い)どちらの方法がより効果的なのかはこれまで、筋トレを研究する人たちの間で意見が分かれていました。

筋肉の繊維は「生体長」という最大の収縮力、つまり筋力が発揮される長さがあります。

例えば、アームカールは主に上腕二頭筋が活動しますが、その筋肉の長さはひじの関節の角度によって決まります。ひじの可動範囲は0度から130度までありますが、中間域である70度付近が上腕二頭筋の生体長となります。これが最大筋力を発揮する角度になるため、パーシャルレンジの方がフルレンジよりラクに感じるのです。

疲れてくると可動の角度が小さくなるのはこのためです。

ブラジルのフェラデル大学のピントらは関節を動かす範囲の異なりによるトレーニング効果について報告しています。40名の被験者をパーシャルレンジとフルレンジのトレーニングを行うグループに分けて実感しました。結果はフルレンジの被験者の方がパーシャルレンジの被験者より約2倍の値で筋肉のが確認されました。

筋肉増加にはフルレンジの方がより効果的なのです。

ただし、フルレンジは怪我のリスクも高まることがフェラデル大学の実験で確認されています。フルレンジはパーシャルレンジよりも筋肉へのダメージから回復するのが遅かったのです。よって無理はしない重さを設定トレーニングのプランを組み立てるしてことが大事です。

 

続いて、休憩の方法についても解説します。

結論を先にいえば、休憩時間は2分以上がおススメです。

休憩は、短時間か?長時間か?スポーツ科学の分野では短時間派(1分間)と長時間派(3~5分間)に分かれ、長らく議論されていました。短時間はの主張には根拠として「成長ホルモンの分泌の増加」を挙げていました。

確かに成長ホルモンの増加は短時間のトレーニングの方がより多く確認されています。

ところが、成長ホルモンの増加は、筋タンパク質の合成作用や筋肥大に寄与していないことがわかってきました。

これはマクマスター大学のウェスト、ミッチェルらの研究により証明されています。

最適な休憩時間には個人差がありますが、1つの基準になるのが、「週の総負荷量を多くする」、です。

短い休憩時間と長い休憩時間のトレーニングを比較したとすると、総負荷量に差が出ます。短い休憩時間だと早く負荷の限界を迎えます。

長時間、具体的には2分以上の休憩であれば、より多くの負荷量を稼ぐことができるはずです。

成長ホルモンは筋肉増加には関係ない。総負荷量にを多くするためには長時間休憩が必要なのです。よって筋肉増加には長時間の休憩が必要になるのです。

 

筋トレの週の頻度は週3回でも6回でも効果は同じです!

日々の生活が完全にルーチン化できる仕事をしている人なら、頻度を調整することに困ることはないでしょう。しかし、不規則なスケジュールで働かざるしかない人は頻度を規則的に調整するのは難しいでしょう。

しかし、安心してください。筋肥大の決め手になるのは総負荷量です。

2016年、ニューヨーク市立大学のシェーンフェルドらは、筋肥大の効果と週単位のトレーニング頻度に関する報告をしました。

•週1日のトレーニングでは効果がない

•週2日で筋肥大の効果が認められた

•週3日でも同様の効果が認められた

また、オクラホマ州立大学のコルクフーンらによる研究報告です。2018年、コルクフーンらは被験者を集めて頻度を週3回と週6回のグループに分けてトレーニングをさせました。両グループとも総負荷が同じになるように強度と回数、セット数が設定されました。結果は頻度に違いがあっても筋肉の増加量に差は出なかったのです。

これにより、週単位の総負荷量が同じあれば、週の頻度は3回でも6回でも効果に変わりはないことが証明されたのです。

 

筋トレのの指標になるのは総負荷量です。トレーナーを始める前に週単位の総負荷量を記録して、それを基準にトレーニング強度や回数、セット数、頻度を調整してメニューを作るのが効果的なのです。